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これはシン子が大学生時代の出来事です。
ある真冬の日友達に誘われ「合コン」なるものに誘われたシン子はちょっと張り切ってオシャレ服に着替えて気合い十分で合コン場所に向かった。
合コンそのものは楽しく愉快に終える事ができ、そろそろ解散しようか。という事になり、何故かシン子はその日人気No.1の男の子と帰ることに・・
他の女の子の冷ややかな目線を背中に受けながらその男の子の車に乗り込んだ。
しばらくたわいもない話をしているとその男の子が急に
「見せたい物があんねん」
と言ったので
「うん。何?」
とシン子は答えた。
そのまま車は山の頂上へ・・
「ついたで。車降りて」
そう言われたので車を降りるとそこには女の子が喜びそうな夜景が・・
「見せたい物ってもしかして、夜景?」
思わずシン子は聞いてしまいましたよ。
「そうや、2人で見たかったんや・・。」
男の子はつぶやきます。
実はシン子は夜景や夕日、花火などを見ても何とも思わないのです(汗)
その中でも夜景に関してはただの街灯とかやろ?
としか思わないのです。
そんなシン子とは対象的に男の子はすでに自分の世界に入っています。
夜景を見だして10分。
シン子の鼻は感覚なくなるほど冷たくなり寒さと退屈さにガマンできなくなったシン子は
「もう、帰ろうや。寒すぎやでー」
と正直に言いました。
すると男の子は
「え?うん」
と戸惑い気味。
それからは何故かあまり言葉を交わす事も無くシン子の家の近所のコンビニで男の子とは別れました。
次の日その男の子からメールが来ました。
そのメールには
「俺、基本的に感動の薄い女の子とは付き合えない。ゴメン」
と書いてありました。
でもちょっと待って下さい。
シン子はその男の子に「付き合って下さい」と言った記憶がカケラもないのです。
大学に行き、友達に全てを話し、メールを見せると笑いとばされたのは言うまでもありません。
シン子は告白どころか友達になるまえに振られてしまいました。
それ以来合コンには行かなくなりました。
おしまい
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