安息の時間

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「僕は鳴友(めいゆう)大学2年の桜井鷹史。まぁ短い間だけど宜しく♪」 バスで突然自己紹介したり、もっとお茶目キャラかと思ってたけどそうでもないのか。 一人称も「僕」だしなぁ・・・ でも突然の指名で戸惑ったのもあるのかも・・・ 「次、栗生くんどうぞ」 「え?」 「自己紹介よ、茉莉ちゃんの次はあなたよあなた」 「茉莉、いつの間に自己紹介を・・・」 「慧がバカ面してる間!」 あちゃ、機嫌悪くしたか。まぁいつもの事だが。 「えと・・・オレは栗生慧っていいます。・・・ヨロシク」 突然の指名をナメたらいけないな・・・ 「はい、じゃあ次はお嬢さん、あなたよ」 瑞穂さんは例の少女に自己紹介を促した 「・・・リノ」 「えっ?」 「的矢リノ・・・」 「リノちゃんっていうんだ、ヨロシクね♪」瑞穂さんは優しく微笑んだ。 「名前もわかったし、後からあのリノって子に親の事とか聞きにいくか」 「・・・」 「茉莉?」 「えっ?あぁ、何?」 「何だかんだでお前もバカ面して考え事してんじゃねーかw」 「バ、バカ面!?断じてそんなんじゃないわよ!」 「おやおや、今の顔もまた・・・」 「さ~と~し~・・・」 「コーラ、そこ!人の話はちゃんと聞く!」 その後、瑞穂さんとじいさん、そして再度加奈子さんの自己紹介も終わり、全員がやっと打ち解けてきたように思えた。 リノという少女を除いて・・・
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