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全員が料理に夢中になっている。
リノが居ないのは不安だが、今は安息の時間だ。
ふいに隣の席のじいさんが呟いた。
「それにしても、ここも変わりましたな・・・」
「品川さん、来たことあるんですか?」
「ええ、アレはかなり、何年も前になります」
「へぇ・・・あ、じゃあここの詳しいこととかわかります?」
「まぁ、ある程度はわかります」
さっきの窓の件を聞いておこう。
「あの、窓がはめ殺しの件なんですけど・・・」
「えぇ、ここの窓は全てはめ殺しになっております」
「なぜですか?」
「やはり立地が立地なもので・・・自殺目当てでお客様が泊まりに来られては困りますので」
「なるほど・・・」
「でもさ、それならはめ殺しにするのは崖側だけで良くない?」
茉莉がふいに会話に乱入してきた。
「どういう事だ?」
「実は、入り口側の窓もはめ殺しになってたの」
「え?」
「品川さん、何かその理由は知ってますか?」
「はぁ、実は私も昔から気になっておりましたが、理由はわからないのです」
・・・また妙な謎が増えてしまった。
しかし今は食事の時間、この話はやめよう!うん、そうだ!
そしてオレは、ついさっき前に置かれたスープに手をつけ始めた。
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