安息の時間

7/8
前へ
/215ページ
次へ
全員が料理に夢中になっている。 リノが居ないのは不安だが、今は安息の時間だ。 ふいに隣の席のじいさんが呟いた。 「それにしても、ここも変わりましたな・・・」 「品川さん、来たことあるんですか?」 「ええ、アレはかなり、何年も前になります」 「へぇ・・・あ、じゃあここの詳しいこととかわかります?」 「まぁ、ある程度はわかります」 さっきの窓の件を聞いておこう。 「あの、窓がはめ殺しの件なんですけど・・・」 「えぇ、ここの窓は全てはめ殺しになっております」 「なぜですか?」 「やはり立地が立地なもので・・・自殺目当てでお客様が泊まりに来られては困りますので」 「なるほど・・・」 「でもさ、それならはめ殺しにするのは崖側だけで良くない?」 茉莉がふいに会話に乱入してきた。 「どういう事だ?」 「実は、入り口側の窓もはめ殺しになってたの」 「え?」 「品川さん、何かその理由は知ってますか?」 「はぁ、実は私も昔から気になっておりましたが、理由はわからないのです」 ・・・また妙な謎が増えてしまった。 しかし今は食事の時間、この話はやめよう!うん、そうだ! そしてオレは、ついさっき前に置かれたスープに手をつけ始めた。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

286人が本棚に入れています
本棚に追加