ポプラへ

4/9
前へ
/215ページ
次へ
‐2日後の朝‐ 「さーて、行きますか!」 「どこにだ」 「どこにって・・・ポプラに決まってるじゃない」 「いやそうじゃなくて、どうやってポプラに行くかだ」 「ご親切にこの家には迎えのマイクロバスが来るのだ♪」 「迎えが!?なんでわざわざ」 「何でもこの辺なら寄れるらしくてw他の人達は東京駅にだって」 良かった、現地集合じゃなくて・・・オレもコイツも激しい方向音痴だからな 「あ、あれかな?」 ん~、見た所普通のマイクロ・・・なんだけど・・・ 運転手がタキシード姿のじいさん? バスは家の前で止まった オレ達が乗り込むと、運転手のじいさんに挨拶された 「私、運転手を仰せ仕っております、品川と申します。皆様をポプラまで安全にお届けしますので、どうぞ宜しくお願いします」 「あ、私は大和茉莉、こっちは栗生慧って言います、こちらこそ宜しく」 「なぁ、突然だが、アンタは誰に雇われたんだ?」 「私は旦那様の命に従っているだけですので詳しい事は・・・」 「旦那様?」 「はい、私の本業も執事でございますので」 だからタキシードか・・・ 「なぁ、その旦那様ってのは誰だ?」 「ポプラの所有者、とでもいいましょうか。ささ、出発しますので席にお着き下さいませ」 なんだ、まるで旦那の事を言いたくないような・・・ オレの中で何かがざわめいた気がした、だが・・・ 「慧~、早くこっちこっち~♪バスは一番後ろが楽園だぞ❗」 そんな緊張感のない声にかき消された。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

286人が本棚に入れています
本棚に追加