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‐2日後の朝‐
「さーて、行きますか!」
「どこにだ」
「どこにって・・・ポプラに決まってるじゃない」
「いやそうじゃなくて、どうやってポプラに行くかだ」
「ご親切にこの家には迎えのマイクロバスが来るのだ♪」
「迎えが!?なんでわざわざ」
「何でもこの辺なら寄れるらしくてw他の人達は東京駅にだって」
良かった、現地集合じゃなくて・・・オレもコイツも激しい方向音痴だからな
「あ、あれかな?」
ん~、見た所普通のマイクロ・・・なんだけど・・・
運転手がタキシード姿のじいさん?
バスは家の前で止まった
オレ達が乗り込むと、運転手のじいさんに挨拶された
「私、運転手を仰せ仕っております、品川と申します。皆様をポプラまで安全にお届けしますので、どうぞ宜しくお願いします」
「あ、私は大和茉莉、こっちは栗生慧って言います、こちらこそ宜しく」
「なぁ、突然だが、アンタは誰に雇われたんだ?」
「私は旦那様の命に従っているだけですので詳しい事は・・・」
「旦那様?」
「はい、私の本業も執事でございますので」
だからタキシードか・・・
「なぁ、その旦那様ってのは誰だ?」
「ポプラの所有者、とでもいいましょうか。ささ、出発しますので席にお着き下さいませ」
なんだ、まるで旦那の事を言いたくないような・・・
オレの中で何かがざわめいた気がした、だが・・・
「慧~、早くこっちこっち~♪バスは一番後ろが楽園だぞ❗」
そんな緊張感のない声にかき消された。
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