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そしてそろそろ一時間が経とうという頃、最後の客がじいさんと共にやってきた。 その客は大学生くらいの男だった。 彼はバスに入るなり全員に向かって挨拶した。 「どうもー、僕は桜井鷹史(さくらい たかし)って言います。暫くの間宜しく」 と言うだけ言ってこちらの自己紹介もさせないまま席に着いてしまった。 まぁ後からすればいいかな・・・ 「では全員揃いましたので、出発致します。気分が悪くなった方はお早めに申し上げ下さい」 え、人数たったこれだけ? 「なぁ、茉莉。ホントに人数これだけかな?」 「確かに少ないね、でもバスで行くメンバーがこれだけとか」 「それだけじゃない、あの一番前の女の子どう思う?」 「どうって・・・」 「親も見当たらないし、おかしくないか?」 「確かにそうだね・・・聞いてみる?」 「そだな」 さすがにこれは茉莉も違和感を感じたようだな。 しかし、あのじいさんから納得いく返答は期待できないが・・・
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