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やがて、バスはどんどん山の方へと入っていった。
バスの中は静かで、オレと茉莉もあまり話をしていない。
してもコソコソ声だ。
なんというか、声を発してはいけない、そんな気まずい空気だった。
そうこうしているウチに、いつの間にか携帯のアンテナは圏外になっていた。
やがて・・・
「あっ!」
「どうした茉莉?」
「ポプラって、アレかな?」
茉莉の指さす先に、大きめのペンションらしき建物があった。
「みたいだな」
「うひゃ~、すぐ後ろもう崖じゃん」
「そうだな、立地は確かにインパクトがあるな」
ポプラの背後には深い崖があり、余計にこのツアーに不信感を抱かせる。
「にしても・・・意外にデカいな・・・」
「そだね、これだけの人数だと寂しいかな」
それから暫くして、オレ達はポプラに到着した。
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