戸惑い

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戸惑い

いつも一人ぼっちだと思っていた。あなたは私のを頬を優しく撫でているよう。風が草原を駆け抜けるようにやわらかく、あたたかく。その全てで包み込んでくれるような、そんな気がした。だから強く、とても強く惹かれたの。 お昼休み、私は約束通り嘉衣と学食にいた。嘉衣はミートソーススパゲティー、私はハンバーグ定食をそれぞれ注文して、話は自然と午前中のゼミの話になった。 「でね、樫井くんって子がね、超イケてるの!なんかーアメリカに住んでたことあるとか言って、英語はネイティブなの!性格も優しそうで~、これから楽しくなりそう~。」 フォークとスプーンで器用にスパゲティーを一口サイズに巻きながら嘉衣は顔を輝かせていた。 「はいはい。でぇ?彼氏はどうなったわけ?」 「しらなーい。向こうから謝ってくるまで放っとくよー。」 「まあ、そのうち樫井くんゲットできるといいね。」 「うん、がんばるぞぉ~って美月の方は?ゼミどうだったぁ?」 「…最悪。」 「え?なんでぇ?カッコイイ子いなかったの?」 「そこポイントじゃないから!」 「ん~~~~~~。。。。」 眉間に皺を寄せながら嘉衣は一生懸命考えているようだったけれど、どうやら彼女にはカッコイイ男の子がいないという以外の選択肢が思いつかないようだったので私から口を開いた。 「教授が最悪。説教ばっかりでさぁ。しかもなんか変わってて、変なゼミ選んじゃったよ…。」 思ったままを口にした。嘉衣は当然同調してくれるものとばかり思っていたのだけど、嘉衣は予想外な言葉を口にした。
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