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「美月知らないの?五十嵐先生のゼミって超厳しいって噂じゃない?」
嘉衣の言葉に私は口に運ぼうとしたハンバーグを思わず落としてしまった。
「はぁ?そうなの!?そんなの聞いたことないよ!レポートだけで単位貰えるって聞いたし。」
「だからさ、そのレポートがヤバイらしいよ??相当な量を毎週出されて、去年のゼミ生は一日遅れただけで単位落としたらしーよ?」
嘉衣はフォークでビシッと私を指してニコッと微笑んだ。
「嘉衣…。」
「んー?なぁに??」
「面白がってるでしょ…。」
「うん!けど美月顔色悪いよぉ?カワイイお顔が台なしでちゅよ☆」
「誰のせいよ!知ってたなら教えてよ!」
「やーほら、大学生だし?勉強が本分だしぃ?美月頭いいじゃん。だいじょーぶっ。」
「かーーえーー!」
私は紙ナプキンを丸めて嘉衣に投げ付けた。嘉衣は慌てて合コン開いてあげるからと言って、そそくさと化粧品のキャンギャルのバイトでもらったからと美容液のサンプルを押し付けてバイトに向かった。
ちょうど美容液新しいやつを探してたから良かったと一瞬ごまかされそうになったが、すぐに来週のゼミの事で気が重くなった。あの変な教授と最低で一年、下手すると卒業まで一緒かもしれないのだ。単位を落とす訳にはいかないけど、とりあえずこれからの事は来週決めるらしいのでそれから考えようと決めた。
「さーぁ。次は経済言論だぁ。」
私はポツリとつぶやいて次の講義に向かうため立ち上がった。
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