告白されました。

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  振りほどいて逃げようにも、この少女は見た目以上に力が強いのかびくともしない。 「ほらほらー。こんな美少女が可愛ーくヤンデレチックに告白してるんですからあまり焦らさないで下さいよー。ねー。私と付き合っちゃいましょうよー」 「……断る」 ふざけんなよ。 何がヤンデレチックだ。 お前の目はどう見ても本気じゃないか。 だが、そんな俺の答えに対して、彼女は、 「えっ?」 ただ、驚いていた。 「――――」 そして、俺の周りの空気が音を立てて霧散する。 目の前の少女の笑顔が剥れて、無邪気な殺気が痛いくらい肌を貫く。少し気を抜けばすぐにでも意識がとんでしまいそうだ。 「うっ、生まれてはじめて人に告白したのに……」 「……やっぱりアレは告白だったのか……」 キチキチキチと音を立てて、カッターナイフの刃が伸ばされて、肌に食い込む。 涙ぐみながらそう言う彼女が可愛いなぁ、なんて思ったけど冗談じゃない。つーか、マジでやってることが冗談になってない。 「こうなったら……」 「なったら?」 「アナタを殺して私も死にます」 …………待て。コラ。  
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