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「うん。わかった。サンキュ。……じゃあ、勉強頑張って」
ケータイを投げ捨ててため息。
とりあえず、ケータイ越しではあるが姉さんに訊いたおかげで色々とわかった。
斬原 流香ってヤバいんじゃね? と。
今日は実力テストだけで学校自体は午前中で御開き。
昼頃に自宅に帰ってきてから、大丈夫だよな? 明日も生きてられるよな? と、望みを持って姉さんに訊いてみたら見事に粉砕されてしまった。泣きたい。
「■■■……?」
クロが大丈夫かと問い掛けてくるも応えられない。だって大丈夫じゃねぇもん。主に心が全然大丈夫じゃないもん。
「んー、でもですよぉ。いくらその斬原さんとやらが危険な人で運悪く同じクラスになったからってぇそんなに気にするもんですかぁ?」
妙に間延びした声で興味なさそうにそういう、なぜか風俗っぽい丈の短くフリフリだらけのゴシック調エプロンドレスを身にまとった、キツネ目の女性。
仄紫 千早(ほのむら ちはや)は適当に部屋の中に掃除機を走らせながら訊く。
「別にぃ同じクラスだからといってぇ殺されるわけではないわけですしぃ」
「いや。だって、その……、俺、そいつに告白までされて、しかも……フっちゃってて……」
「■■■――――!?」
「あら? あらあら、まぁ♪ 青春でぇすねぇ♪」
悩みのタネを正直に言ってしまったことに後悔。
何かクロが絶叫して、仄紫さんが面白いこと聞いたとばかりに唇の端を吊り上げる。
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