告白されました。

4/4
前へ
/276ページ
次へ
  「それは嫌だ」 「じゃあどうしたらいいんですか!?」 「知らねえよ! つーか、何でこんなことで俺は殺されなきゃいけないんだよ!? 昼ドラの見すぎだろお前!」 「なっ!? べ、別に昼ドラ大好きなんですからいいじゃないですか!」 「本当に見てんのかよ!?」 本当に何だコイツ? つまりは昼ドラが大好きだからこんなふざけた告白をしてフラれたから俺を巻き込んで自殺? 「ふざけんなバカ! 俺に謝れ!」 「ひぅ……!? ご、ごめんなさい!?」 本当に謝った?! いや。待て。とりあえずコイツが謝ったとか今はそんなことはどうでもいい。 とりあえず、二三確認しよう。というか、しなきゃなんねーよ。 「おい。お前」 「は、はい」 「お前、もしかして、俺に告白したってことは……、その、好きなわけ?……俺のことを?」 俺のその問いに、そいつは瞬時に耳まで真っ赤にして、顔を伏せてしまった。 ……どうやら、間違いないらしい。 「OK……わかった。じゃ、もう一つだけ訊いていいか?」 「は、はい……」 「お前、斬原 流香(きりはら るこ)って、もしかして、あの斬原か?」 「は、はい。そうですけど。よ、よくご存じで……」 「……まあ。アンタは有名だからな」 そして、俺が自分を知っていたことを少し喜び、 「はい。私――殺人鬼、斬原 流香でございます」 少しだけ恥ずかしそうに、少しだけ誇らしそうに、猫みたいに無邪気な笑顔で、そいつはたしかにそう言ったのだった。  
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6073人が本棚に入れています
本棚に追加