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「…………?」
目が覚めたら手足が革製の拘束具で縛り付けられ、口には猿轡が噛まされていた。
薄暗い壁紙すら張られていない剥き出しのコンクリートの壁。
そんな部屋に寝かされていて、俺が寝かされているのが剥き出しの鉄パイプ製のベッドで。
…………ん? なんだこれ?
どうして俺はこんなどこぞの映画で見るような捕虜みたいな扱いを受けているんだろうか。
いや、それよりも先ずここはどこだ? まさか鳳凰堂の屋敷の中だなんてことはないだろうし。それから俺をこんなところに寝かせたやつ、まさか姉さん絡みのことで怒り狂った遥香さんでもさすがにこんなことはやらないだろうし……。
「お目覚めですか」
助けを呼ぼうにもここがどこだかわからない上に、猿轡なんてはめられているものだから叫ぼうにも叫べない。暴れようにも手足繋がれてるし。
「……お目覚めですか」
……だから訊かれても答えられねぇんだよ。いい加減に気を利かしてこの猿轡を外しやがれよ、そこのちくしょうめ。
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