家政婦(メイド)は見た。

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  いくら考えてもどうしてこんなことになってしまっているのかわからない。 今、俺がいったいどういうことになってんのかを知っているであろう黒いやつは吃っているばかりでなかなか答えない。 「お前」 「は、ははひゃいぃぃ!?」 いきなり呼び掛けられて驚きに叫ぶあたり、おそらくそんなに気の強いやつじゃないのだろう。 「お前、ここがどこだかさっさと答えろ。あと俺はどうして縛られてた? どうやって連れ出した? まさか俺の身内に手出してないだろうな」 「えっ、ええっ……ちょっと待って!? そんないきなり……」 「……さっさと答えろや」 「はいっ!? 喜んで!?」 一気に言われてわざとらしいくらいに尚も慌てふためく黒いやつの額、ヘルメット越しに拳銃を突き付けて脅す。うわぁい。本当に俺が悪役なんじゃねぇのか、これ。 でも仕方がない。じっさい俺はいかにも怪しい場所で縛られて頭に銃口を突き付けられるなんて状況に陥っていたわけだし。何よりちょっと寝かされていた間にいきなりこんなことになっていて何もわからないというピンチなのだ。余裕なんて実はないに等しいのだ。だって俺はあくまで普通の高校一年生二日目だから。  
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