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泣くのは好きじゃない。 なんだか、泣けば泣くほど自分が弱くなる気がするから。 誰も見ていないのは分かっているけど、どうにか涙を隠したくて、腕で目を覆った。 「あっれ~?……先客?」 どれくらい時間が経ったのだろう。 泣きすぎて頭が痛くなってきた頃。 なにやら聞こえてきた明るい声。 なんだか今の自分の気持ちとは正反対な脳天気なその声に、少しだけイラッとする。 何事かと思ってそっと顔を上げると、そこには金色の光ーーー 「……えっ!?」 あまりにびっくりして、思わず涙も引っ込んだ。 落ち着いてよくよく見ると、光ではない。 「髪……すごい色だね」 初めて話す相手なのに、そんなことを呟いていた。
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