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昼休みの時間も終盤を迎えようとしていた頃、彼女は横になっていた涼しい場所から、私の足元へ近寄り、頭を擦り付けながら、喉を鳴らす。そして、廊下へと行き、一鳴きする。
「にゃぉ~」
それを繰り返していたのだが、私は廊下に呼び出しているのかと思い、後に続いて廊下へ出る。
すると、彼女はペタリと横になって、喉を鳴らすだけで、何も示さない。
…撫でて欲しいのかな?
そう思い、頭から体までくまなく撫でまくり、満足そうな彼女を見届けてから、部屋に戻る。
すると、どうだろう。また同じ事を彼女はしだしたではないか。
…どうしてほしいんだ?
私もわからないまま、同じ行動を繰り返す。廊下と部屋を何回往復しただろう…。
残念ながら、お昼休みが終わってしまい、家を出なければならなくなったので、支度を済ませて、廊下へ出た。
「…にゃぁ」
彼女は、まるでデートに遅れてきた彼氏を見る様に、ダルい声で一鳴きすると、玄関へと歩き出した。
…もしかして、お昼の終わりを教えてくれてた?
そんな事を考えながら、玄関へ出ると、彼女はこちらを振り向いて、開けろと言わんばかりに私を見る。
…外に出たいのか?
玄関を開けると、室内より蒸し暑い空気が玄関を包む。
彼女は玄関を出て、遊びに行った様だった。
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