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玄関が開いた瞬間、彼女は目標を定めるかのように、玄関から続く廊下を見渡していた。私は、それを眺めて楽しむ。
…まずは、ご飯かしら…。
勝手に吹き出しを脳内に作り出しては、彼女の思考を書き込む…。ささやかな私の楽しみである。
そうこう考えるうちに、彼女は私を見て
「にゃぁ」
と、短く鳴いた。
…早く入れって事…かな?
確かに猫と人間のツーショットを玄関先に飾るには、暑すぎる陽気だった。
私は、エアコンのスイッチを入れるべく、先陣を切って灼熱の我が家に飛び込んだ。
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