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「かずっ…!」
透き通るような声がしたかと思うと、一哉の友達、葵君が俺達のところへ歩みよってきた。
うっすらと浮かべた微笑が綺麗だった―――。
見惚れていると、葵君は俺に話しかけてきた。
「あの…相原先輩…ですよね…???
いつも、カズと海がお世話になっています。」
ペコリとお辞儀する。
俺より身長の低い奴は少ないから、見上げられるのが新鮮だった。
―――ん?
カズ…と海!?
カズはきっと一哉のことだろう。うん、納得できる。さっき友達だって本人が言っていたし…。
でも、海って海だよな!?
「君、海と知り合い!?」
俺がびっくりして声をあげると、葵君は頬を紅く染めて困惑した表情になる。
「ぇ、えっと、知り合い…というか…、なんというか…。」
俺が答えを待つように彼のことを見ていると、海がパンやらジュースやらを抱えて戻ってきた。
「あっ!留衣!?
何、葵のこといじめてるんだよ!?」
軽く言い掛かりをつけられてる俺。
葵君は焦ったように海に弁解している。
――めっちゃイイコだな。
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