向日葵

4/7
前へ
/55ページ
次へ
「ねぇ? なんで笑わないの???」 彼の素朴な疑問。 「俺には、感情がないから」 それだけ言って、花壇を去った。 向かった先は、教室でも、学校の敷地内にある何処かでもない。 嫌な記憶のある場所。 ――――昔住んでいた家。 久々のその場所は、少し荒れていた。 『お前のせいで…!!』 『いなければ良かったのよ、こんな子!!!』 『消えて!!!』 頬を涙が伝っていた。 嫌な記憶。 俺は、親に虐待されてた。 そのせいか感情が消えた。 人形のようにいつも無表情で、無口になった自分が、 ―――正直、疎ましい。 .
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加