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「あ゛~頭痛いよぉ」
「友さんはお酒を飲みすぎなんですよ。はい水です」
「フウタ君ありがとぉ。いやぁ昨日大学の仲間と遅くまで盛り上がっちゃってさ~」
「盛り上がるのはいいですけど……」
俺はあらためて部屋を見渡す。
正直に言って汚い。
この部屋の褒める場所など皆無。
どんなにお世辞の上手い人でもこの部屋の惨劇を褒める事は出来ないだろう、確実に。
「友さん。もう少し部屋を綺麗にしませんか?」
「えー綺麗だよー」
「この部屋の状況を綺麗と言ってのける友さんを俺は尊敬しますよ」
「えぇ照れるなぁ」
友さんは顔を赤くして頭をかいている。
「いや褒めてませんから。けなしてますから」
「ぶー、フウタ君の意地悪ぅー!人で無しぃー!」
「なんとでも言っててください。俺はそろそろおいとましますよ。酔っ払いは大人しくしててくださいね」
俺は不平不満を言う友さんを無視して自分の部屋へと戻った。
今度大々的に部屋の掃除を薦めないとな。
いくら隣人とはいえあれは酷い。
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