薔薇と、冠と

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「クリスマスちゃんっ!?」 瓶底眼鏡の叫んだ言葉で、あぁ、この細身の女性の名前はクリスマスと言うんだな、とぼんやり思う。 桃色の髪をしたクリスマスは、足を抱えて苦しげに呻いていた。 「あ、はは…。足、ヤられちゃったかなぁ…」 ふと、彼女が押さえ続ける足に目を向ける。 溢れ出る鮮血。 紅い、 血が。 ようやっと自分の心臓が震えたのがわかった。 何故避けなかったのか、なんて考えない。 わたしがいたからだ。  
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