薔薇と、冠と

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彼女は最初からわたしを隠そうとしてくれていた。 彼女の後ろにはずっと、へたり込んでいたわたしがいた。 避けたらわたしに当たっていただろう。 だから。 わたしがいたから。 彼女の血は地面を汚し、わたしの靴まで濡らした。 靴に触れたそれを手にとり見るともなしに眺める。 紅い、 とても紅いソレは、 炎によく似ていた。 The next rose blooms...
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