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あれは遠い昔。ある雨の日。
母が連れてきた、なにやら小さなカタマリ。
連れてきたっていうより、母の脇に抱えられ、ミーミー言いながら母の脇に向かって突進を続ける、小さなカタマリ。
彼は捨て猫でした。
少し前に、9年生きた猫(メス)が他界してから、すっかり猫を飼う気を失っていた母は、
『ルルちゃんの血筋じゃないと、飼わないよ。』
と言いつつ、
とりあえず、雨だし。
白いカタマリを小松家で雨宿りさせてあげることになりました。
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