プロローグ

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ソレから僕は戸締まりもせずに家を飛び出し、病院に走っていた。 病院は家から比較的近く、一度も立ち止まることなくたどり着くことができた。 病院に駆け込むと周りの人が僕を不信な目で見てくるが、ソレを無視し受け付けに向かった。 「あ、あの、さっき事故にあった山中秀樹の家族ですが、父は!!?」 僕が勢いよく喋るとまだ若い受け付けの看護師も慌てて返事を返した。 「ご家族の方ですか!!? こちらに来てください!!」 受け付けの看護師は僕を2階の手術室前に案内してくれた。 手術室の前では看護師や医者が手術の準備を急いでる。どうやら手術室の中に両親と雪がいるらしい。 しばらくして手術室のランプが赤く光った。どうやら手術が始まったようだ。 僕は案内してくれた看護師にお礼も言わず、近くの長椅子に腰を落とし項垂れた。 看護師は僕を気の毒そうに見、受け付けに戻って行った。
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