第1章

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これからこの子どうしようかな‥‥。放り出すのはかわいそうだよな。 ‥‥‥ここまで連れて来たのは僕なんだから僕が飼うか。 幸いここのアパート、ペットオッケーだし。 飼うんだったら名前、つけなきゃな。どんな名前にしようかな。 プルルルル‥‥プルルルル‥ 部屋の中に電話の音が鳴り響いた。 「えっ‥‥‥誰だろ。」 僕は受話器取って耳に当てた。 「もしもし?」 「あっ、本田だけど今いい?」 本田さんはバイト先の店長だ。明るい人で僕が祖父母以外で心を開いているのはこの人だけだと思う。 しかし、どうしたんだろ。僕は今日、休みを取ったはずだけど。 「どうしたんですか?」 僕が尋ねると受話器の向こうから重いため息が聞こえてきた。 何かあったのだろうか‥‥。
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