第1章

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ケーキを食べた後僕はお店の掃除をした。お店はそこまで広い方ではないが、僕が1人でしていたためかなり時間がかかった。 掃除が終わると本田さんから帰っていいと言われた。 閉店時間はまだなのだが、今日は疲れたからもう帰って寝たいらしい。 なんとも自由な人だ。 ここまで自由な人を本田さん以外に僕は知らない。 僕がお店を出た時には外はだいぶ涼しくなっていた。 僕は涼しくなった帰り道をゆっくりと歩いて帰った。 僕はいつもより時間をかけてアパートに帰りついた。 「ただいまー‥‥‥。」 まぁ、返事は無いのだが。 ――おかえりー。 「‥‥‥えっ?」 今、おかえりーって‥‥。しかも、今の声は‥‥‥ 「雪‥‥?」 いや、雪は死んだんだ。でも、今の声は‥‥‥。 ――雪ってだれ? また、聴こえてきた。いったい誰が‥‥。
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