第1章

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にゃー‥‥。 足下から鳴き声が聞こえてくる。子猫が足下に居た。 「‥‥‥‥もしかして、お前が雪の声で喋ってるとか?」 まさかと思いながら口にしていた。 ――喋ってないよ? ‥‥‥‥‥‥あれ?今、会話が成立したよね? 「ねぇ‥‥今喋ってないよ? とか、考えたりしなかった?」 ――えっ、私が考えている事が分かるの? スゴいな‥‥僕、猫と喋ってるよ。でも‥‥‥何で雪の声なんだ。 「うん、分かるみたい‥‥‥。」 ‥‥嬉しいけど、嬉しくないな。 ――‥‥何でそんな顔をしてるの?。 「えっ‥‥?」 ――何か泣きそうな顔になってるよ。 「‥‥‥‥‥。」 ――その‥‥私のせい? 声が泣き声になってきた。‥‥‥雪の声で泣き声なんて聞きたくない。
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