第3章

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今、僕とユキはお店の前にいる。 ――ねぇ、兄ちゃん。大丈夫かな? ユキが不安気に聞いてくる。 たぶん、本田さんなら大丈夫だとは思うけど‥‥‥一応、飲食店だからな。 「きっと大丈夫だよ。入ろう。」 僕は意を決して中に入った。 「あっ、すいません。開店はまだ‥‥あら、どうしたの? こんな早くに。」 まだ開店には1時間近くあった。 ここまで早くした理由はもしユキはここに居てはいけないと言われたら、一回アパートに戻らないといけないからだ。 「あの、今日はお願いがあって‥‥‥。」 「お願い?‥‥あっ、可愛い子猫ね。」 本田さんがユキに気付いたようだ。ユキは今僕の肩の上に乗っている。 「実はお願いはこの子、ユキについてなんですが‥‥。」 「いいですよ。」 ‥‥‥まだ何も言っていませんが?
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