プロローグ

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「えーと、ごめん、僕は宿題があるから今日はいいや。」 僕がそう言うと雪はあからさまに不満そうな顔をした。 「えー‥‥お兄ちゃんも行こうよー!!」 雪は案の定駄々をこねたが、宿題を終わらせないと明日、大変な事になる。 「ごめんね。今回は三人で行って来てよ。」 「雪、仕方ないから三人で行こうか。あまりお兄ちゃんを困らせたらダメだぞ?」 横から父さんが雪をやんわりと宥めてくれた。 「そうよ、雪。お兄ちゃん、今年は高校入試があるんだから。」 そう、僕は今年は高校入試がある。私立のちょっとレベルの高い高校を狙っている。 しかも、そこには特待生制度がある。なので、できれば特待生になりたい。 少しでもお金の負担を減らしたいのだ。 だから、しっかりと試験勉強をしなければいけなかった。
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