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高校生の僕は、何もわからないまま――というわけではなく、しっかりと現実を受け止めて、その上で弔辞を読んだり焼香を上げたりした。
何も解らない苦しみもあるが、何もかもが解る苦しみもまた、ある。
両親を送った後、誰もいない家に帰った時のあの苦しみを、僕は決して忘れないだろう。
僕の日常はあっさりと何の身構えをする余裕も与えずに、非日常へと変わったのだ。
世界はかくも簡単に崩壊するものだと、僕は知らなかった。
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