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『次は…』
乗り換えの駅を車内アナウンスが告げる頃、3ページに渡る大作が手帳を埋め尽くしていた。
それらを丁寧に切り取り、手帳の最後にペンと一緒に挟んで鞄の奥へ突っ込んだ。
彼らの家に着く前までに郵便局に行こう。
届かないかもしれないけど、たまには文句の一言でも出しておかないと…
『…さっさと帰ってこい。
色々言いたいけど、まずは帰ってこい。
今の俺の顔を想像してみなよ?
父さんはどんな顔をしてんだろね?だいたい、意味もなく笑ってるんだろうけどさ。
こんな状況で、兄姉たちはどんな顔をしてるんだろ?
父さんに似てないことを祈ってるけど。
あと、必ず生きて、必ず帰ってきてください。
そして父さんの頬を叩かせてください。
腫れ上がって顔が分からなくなるくらいにしてやるから。
以上、父さんの息子より。
追伸
黙って何かヤラかすのはいいから、体に気をつけて。』
電車のドアが勢いよく開く。
自然と笑みがこぼれた。
なぜ笑ったかは自分でも分からない。
あと、電車の窓に映ったその表情が父さんに似てると感じたのは、多分気のせいだと信じたい。
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