第一章

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「きりーつ、ちゅーもーく、礼。」 日直の生徒の今日を締めくくる最後の挨拶。    ―めんどくさいなぁ。学校なんて、来る意味ない。     湯川颯士。 17歳 中学時代から、あまり学校というものに興味がなく、親がうるさいということで一応学校に来ているが、正面に授業を受けた事がない。   そんな彼だが、放課後だけは好きな時間だった。 誰もいない教室。 微かに聞こえる運動部の声。 何故だか、それが心地よく感じられた。   湯川はひとりが好きだった。
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