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「きりーつ、ちゅーもーく、礼。」
日直の生徒の今日を締めくくる最後の挨拶。
―めんどくさいなぁ。学校なんて、来る意味ない。
湯川颯士。
17歳
中学時代から、あまり学校というものに興味がなく、親がうるさいということで一応学校に来ているが、正面に授業を受けた事がない。
そんな彼だが、放課後だけは好きな時間だった。
誰もいない教室。
微かに聞こえる運動部の声。
何故だか、それが心地よく感じられた。
湯川はひとりが好きだった。
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