第一章

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何でも出来るし、誰かに気を使うこともない。   そんな、ひとりが好きだった。    湯川はいつも、決まったところに座る。 窓際の前から3番目の席。 学校にもクラスメートにも興味のない湯川は自分が誰の席に座っているかなんて知りもしなかった。   ただ、この席はお気に入りだった。 自分の席は廊下側の後ろから2番目の席で、ちょっと気に食わなかった。     湯川はいつも5時になると帰りの支度をする。 それまで、何かするわけでも、誰かを待ってるわけでもなく教室にいる。
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