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私は鏡が大嫌い。 何故…? それは自分が弱く見えてしまうから。 孤独と言う名の闇に捕らわれてしまいそうだから。 私は他人が思っているほど強くは無い。 臆病者だから、わざと狼の皮を被るんだ。 自分を奮い立たせるために。 自分は強いと錯覚させるため。 でも鏡にはどうしても勝てないのだ。 弱い自分を映してしまうから。 自分の弱さを知ってしまうから。 鏡の中の私はいつも情けない顔をしてる。 だから思わず涙があふれ出す。 そうすると鏡の中の私が 「もう強がらないで」 と、囁く。 だからまた泣く 泣いて ないて ナイテ。 涙が枯れたらまた狼の皮を被るんだ。 その鏡を粉々に砕くその日まで。
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