プロローグ

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この世界には、大きく分けて、3つの生き物がいる。 人間と獣・・・そして神。 人間と獣は、互いに支えあって生きていたが、神だけは違った。 いつしか神は、人間と獣の前から姿を消した。 限りある命しか持たない者達を残して。 神が居なくなると、人間と獣は争いを始めた。 神は人間に、「話す」事を教え、獣には・・・何も与えなかった。 獣は、人間の能力を得るため、戦いを挑んだ。 しかし、勝つ事は出来なかった。 それから時が経ち、今度は人間が戦いを挑んだ。 そして、獣達から全てを奪おうとした。 それに怒った獣は、人間と正面衝突した。 人間達から全てを奪おうとした。 この2度に渡る争いは、神を悲しませた。 ――そして、全てを終わらせた。 パタンッ! 彼は本を閉じた。 そして、伝書と書かれた棚に本を戻す。 「何処でも同じだな・・・」 考えに耽っていたが、彼はすぐにこの場を去った。 あまりジッとしている訳にもいかないからだ。 此処は何か大きな施設のようだ。だが彼には、此処が何処かちゃんと分かっていた。 気配を殺し、彼は進む。 傍目には、彼が何故こういう事をしているのか分からないだろう。 周りに人の声も、気配すら無いこの場所で、彼は一歩一歩慎重に進んでいく。 出口に近付くと、彼は突然走り出す。足の間隔が無くなってしまうぐらいに、彼は勢いを落とさなかった。 ★
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