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なんだよこの男
なんだよこの男…!
なんなんだよこの男!!
自分勝手な言い分であたしをこんなところ(ファミレスから若干離れた公園)まで連れてきて、当の本人は(あたしの)膝の上ですやすや眠っている。
殴りたい衝動を抑えて空を仰ぐと、なんだかどんより暗くって少し沈んだ気持ちで膝に目をやった。
こいつ…わがまますぎるだろ。
このままではいけないと思い立ち、沙織に連絡を入れることにした。
しばらく続く最近流行りのよく聞く音楽。それが二週目に差し掛かろうとしたときようやく沙織の声が届いた。
「ちょ、沙織ー?」
「どうした?」
消えたのも気にしてないような口振り。
「この人…遅れてきた人さ。
いきなりファミレスから出て、公園で寝たんだけど」
「え?」
「だからー!!」
「いや、それはわかったよ。
なんで公園?」
「"どうせ暇だろ"とか言われて連れてこられた」
「…そっか。暇そうだったもんね。
あ、じゃーお金はあたしが立て替えとくからそのまま帰っていいよ」
「そういうことじゃなくって…」
………
切られた。つーか電話する相手間違えた。
ため息と同時にちらりと膝に目をやると、バッチリきれいな二重と視線が混じった。
ファミレスにやってきたようなふてくされたような怖い顔でなくて、寝起きの小動物のような顔で見上げられている。
かわいい…かもしれない
…あたしよりデカいくせして
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