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  猫が彼女にノドを撫でられ ゴロゴロ鳴いている 「やっぱり別れなきゃダメ?」   その意味がわかるかのように 俺をじっと見つめた 俺を見ない彼女の代わりに 責めるみたいに 「じゃあどうして縦に首をふったの?」と問うみたいに どのぐらい時間がたったか わからない 俺は猫に責められながら 判定を待つ容疑者みたいに 彼女の返答を待った   「にゃあ」 しかし声をあげたのは 猫だった よく見ればその目の向く ベランダにもう一匹猫が こちらを伺っていた  
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