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猫は一言
言葉を発したかと
思えば
ベランダにかけていき
もう一匹のやたら毛並の良い
白い猫と首をこすり合わせていた
彼女ぼんやりと顔をあげうっとりと
その二匹を見ていた
「やっぱりダメだよな」と付け足そうと思った時に
彼女が先に言葉を発した
「実は既婚者だから」
「ごめんね」
ここでやっと彼女が
せつなげな表情を見せた
その表情もやはり可愛くて
綺麗で愛しいから
「たまにでいいから
ソックスに逢いに来て」
彼女は猫と俺を交互に見て
はにかむように笑った
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