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「だから言ったんだけど…さっき…」
「なんて?」
「たまには、逢いたいなって」
「はは、そっか」
「どうして笑うの?」
「別に」
「もう」と膨れる彼女が
食卓に並べたものを見て
「冷めちゃったから外に食べ行こっか」
と言うから
また笑ってしまった
戸締まりを済ませ玄関を出ると
ソックスが俺を睨んでいた
「この泥棒猫」とでも
言いたそうに
「泥棒猫ねぇ」
と俺が呟くと
自然と手を繋いでしまった
彼女がハッと俺を見る
「言われたいかも」
「なに言ってんだか」
と先にひょこひょこ行ってしまう彼女の方がなんだか
猫らしい
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