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ー札幌ー
あの日ボクは、デートをするはずだったちせにドタキャンされ、アツシ,クラスメイトの、タケ,ノリと4人で札幌にある大型デパートに遊びに来ていた。みんな文句ばかり言っていた……だったら、最初から来るなよな……そして、どれくらいの時間が経った頃だろうか?いきなり、大きな地震が起こった。周囲(まわり)の人達が逃げるのを見たボクたちは、慌てて外へと走りだした。そして、外で見た光景はボクたちの予想を遥かに超えるものだった。空一面を覆うかのように飛んでいる謎の戦闘機…その戦闘機は、ボクたちをさらに驚かせる行動にでた………ボクたちがいる札幌の街に爆弾を投下し始めたのだ。凄まじい爆音と地響き…ボクたちは一体なにが起こったのか理解できないまま、とにかくこの場から離れようと必死で走った。周囲の人たちの悲鳴を耳にしながら……その瞬間(とき)
、ボクは上空に“光るもの”を見た。それは戦闘機などではなく、もっと小さな“もの”だった。そしてその謎の光は、札幌を焼き尽くそうとしている、戦闘機を次々と撃墜していった……ボクは、不思議とその光から目が離せられず、気がつくと追っていた。その光は、ある程度戦闘機を撃墜したとき、戦闘機の攻撃を受け落下してきた。しかも、そこはボクがいる場所の近くだった。爆風で飛んできた小石やらがボクに向かって飛んできた。ボクはその場に立っていられず、情けなく倒れた。正確に言えば爆風にふっ飛ばされたという方が正しいかもしれない……一瞬気を失いかけたが、なんとか動くことができたボクは、少しずつ目を開けた……目の前には土煙が舞っていた。そんな視界が悪いなかボクの目に、人影のようなものが映った。次第に、土煙が晴れていった……人影のようなものも、次第にはっきりと姿を現してきた………小柄で、制服を着た少女だった。ボクはその少女を知っていた。ボクのことを『シュウちゃん』と呼び、いつもかわいい笑顔を見せてくれるボクの彼女、“ちせ ”。そう、この場所にいるはずのないちせだった。しかし、そこにいるのはボクの知っているち
せではなかった……背中から機械のような羽が生え、右腕は大きな機関銃に変わっていた。
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