にんげん

3/3

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「いいえ、犬が恐がるものがいるのよ」 お母さんはジマの質問に答える 「ほら、見なさい」 お母さんはジマに犬の方を見るように言った ジマがみると 「わんわん」とジマをこわからせた犬が 身体にけの生えてない、後ろ足だけでたってあるもののしたで 「きゅ~ん、きゅ~ん」 と、悲しそうな鳴き声をあげている 「お母さん、あれなに」 ジマは身体に毛のないものをお母さんに聞いた 「にんげんと言うの」 お母さんは答えた 「にんげんは、犬より強いの、もちろん猫よりも」 お母さんは言った さっき悲しそうな声を出していた犬が 「くう~ん」 と、ジマがお母さんに甘える時と同じように にんげんに甘えている 地面から高くのびていたにんげんは 犬より少し大きいくらいに縮んでいた 「にんげんがあのような大きさになったら、犬にも、猫にもやさしくなるのよ」 お母さんはジマの頭をなでながら話した。 「変な生き物なんだね」 お母さんがジマの頭を撫でるように、にんげんが犬を撫でているのを見ながら思った。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加