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この山は、天界の端にある。
この山を越え、その先に行けば…
下界、或いは、魔界へたどり着く。
つまりこの天使は、神に仕えることをやめ、自由意志を貫くために…
堕ちようとしているのだ。
「追っ手も来てないみたいだな…
このまま、うまく降りられそうだ」
天使は後ろを振り返り、誰もいないことを確認する。
そして、目を閉じ、崖からその身を投げる。
いつも空を飛ぶような、浮遊感に、身を任せる。
…ガシッ。
が、落下する感覚を味わう前に、背中の羽根を何者かに掴まれてしまった。
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