†序章†

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「え、あれ?」 掴まれて一気に引っ張られ、尻餅をつく。 「…何処へ行くつもりだったのだ?」 見上げると、そこには同じ天使の姿が… その天使はとても美しい容姿で、凛々しく、見る者に不快さを全く与えることはない。 その天使の羽根は6枚。 天使には位階が存在し、羽根の数が多いほど、その階級が高いことを示す。 この美しい天使は6枚… これは、最も高い階級であることを意味する。 「あ、あんたは…」 「何処へ行こうとしていたのかと聞いているのだが?」 「い、いや! 違うんだ!これは違う!」 「何が違うのだ? こんなところまで来て、することはそう多くないはずだ」 美しい天使が、一歩迫る。 「し、仕方ないだろぅ! もう嫌になったんだ!」 「嫌に、なっただと? ふ…全く、理解できんな」 天使は立ち上がり、勢いを取り戻す。
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