†序章†

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「主を信じないで何を信じるというのだ? お前は愛されたいのだろう? だが主を信じない…そんなことでは、人間になったところで何も変わりはしない 堕落した天使は、決して幸福にはなれん」 「…ぐっ」 「本当に何も解らないようだな… もういい、お前は無知からやり直せ 頭が空になれば、無駄な感情も生まれることはない きっと、幸福になれるぞ」 美しい天使が、またゆっくりと近付いてくる。 「な、何をする気だ!」 「心配するな、ただ、お前の『時』を巻き戻すだけだ…」 「な、何だと? そんなこと、出来るわけない」 美しい天使が手を翳す。 狙いは、目の前にいる堕天使。 「我が名は、ラグエル… 『光の監視官』の名の下に… 堕ちた使いの時を戻し、彼の者に無知の救いを与えん」 翳した手に、光る時計のような紋様が浮かび上がる。 「ラグエルだって? …まさか、本物か? なんでここにあんたが来るんだよ! 聞いてないぞ! 俺はただ、下界で暮らしたいだけなのに!」
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