†序章†

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「あっ、ラグエル様っ、お帰りなさい!」 神殿に戻り、1番最初に聞こえてきたのは… 「あぁ、今戻った… 相変わらず五月蝿いぞ、ラシィ…」 ラシィという天使で、ラグエルの神殿に住み、ラグエルの仕事の手伝いをしている。 「えぇ〰、でも、これがラシィのデフォルトの声なんだから、仕方ないじゃないですかぁ~」 口を尖らせ、ぶーっと頬を膨らませながらラシィ。 「だったら、俺が帰って来た時はその半分の声量で喋れ!」 「了解ですっ!」 大きな声で返事をするラシィ。 「…お前は…」 「あ、今日の天使はどうしたんですか? ちゃんと救ってあげたんですか? ラグエル師匠!」 ラグエルの周りをうろちょろしながら、先程の結果を聞いてくる。 「師匠というのはやめろ!俺はお前に何かを教えているわけではない! それと、いいかげんうろちょろするな! 欝陶しい!」 「ねぇ、ラグエル様ってば! どうなったんですかぁ~? ラシィに教えてください!」 注意を無視し、今度はローブの裾を引っ張り、ただをこねる子供のように纏わり付いてくる。
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