9人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ、ラグエル様っ、お帰りなさい!」
神殿に戻り、1番最初に聞こえてきたのは…
「あぁ、今戻った…
相変わらず五月蝿いぞ、ラシィ…」
ラシィという天使で、ラグエルの神殿に住み、ラグエルの仕事の手伝いをしている。
「えぇ〰、でも、これがラシィのデフォルトの声なんだから、仕方ないじゃないですかぁ~」
口を尖らせ、ぶーっと頬を膨らませながらラシィ。
「だったら、俺が帰って来た時はその半分の声量で喋れ!」
「了解ですっ!」
大きな声で返事をするラシィ。
「…お前は…」
「あ、今日の天使はどうしたんですか?
ちゃんと救ってあげたんですか? ラグエル師匠!」
ラグエルの周りをうろちょろしながら、先程の結果を聞いてくる。
「師匠というのはやめろ!俺はお前に何かを教えているわけではない!
それと、いいかげんうろちょろするな!
欝陶しい!」
「ねぇ、ラグエル様ってば!
どうなったんですかぁ~?
ラシィに教えてください!」
注意を無視し、今度はローブの裾を引っ張り、ただをこねる子供のように纏わり付いてくる。
最初のコメントを投稿しよう!