cat girl

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 雌猫のくせに、濡れ鼠。雨の中でただ雨粒をこぼし続ける空を見ていた。行くところも行きたいところもない。風邪を引くのも、別に構わない。  雨に急ぐ人間達の雑踏の中で、私はただこの時間を生きているだけ。たまに、人間の視線が私に向くけれど、誰一人として足は止めない。  情けを掛けてほしくて雨の中を佇んでいるんじゃないから、構わなかった。 「うっわー、びしょびしょじゃん」  憂鬱そうな灰色をした空が遮られて、代わりに青い天井が現れた。青い天井からは、雨が降ってこない。 「どしたの?」  不思議そうな声を発する男の顔。青い偽物の空に、太陽まで出てきたとぼんやり思った。  放っておいて。可愛いねって拾っていって、飽きたら捨てる奴らなんて、こっちから願い下げだ。  怒鳴りたかったけど、開いた口から漏れたのは、頼りない鳴き声だった。 *
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