2人が本棚に入れています
本棚に追加
「一目見て、何となく気になったんだよな」
同じ屋根の下暮らし初めてから、彼はあの日のことを思い出して語っていた。
「ずぶ濡れのくせにやたら反抗的な雰囲気で。あ、反抗的なのは今もか」
私をからかいながら撫でる手を、踏んづけてやった。
「痛っ…ったく、可愛くないなぁ」
本気で言っているわけでもないと解っていても、つい素直な反応を返してばかりいた。
どうして他の雌猫たちみたく、愛らしく鳴いたりとうまくやれないのだろうかと、悔しがった。
寛容な彼だったが、機嫌の悪い日などは当然、私のそんな態度を叱ったりした。
*
最初のコメントを投稿しよう!