プロローグ ~逆立ち健康法(重低音)~

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愛とは何か? 真剣に考えさせられた期間を無事に終え、俺は新しいスタートを踏み出した。 だが、俺にとっての一大イベントも世界単位で見てみればミジンコ並に小さなことで、時空の歪みや時間逆行、UFOとの遭遇みたいなビックリイベントに出くわすことなく、俺は変わったはずの変わらない日常を過ごしていた。 そんな秋のとある日曜日の深夜、普段なら絶対に目を覚まさないような時間帯で俺は目を覚ました。 嫌な予感がする。 とりあえず、隣で天使の寝顔を見せ付けながら眠っている妹の有希は無事だ。 確認はしていないが、きっと父さんも母さんも無事だろう。 とりあえず根拠のない不安の解消に安堵の溜め息を吐いていると、視界の先で何かが揺れたのを見てしまった。 途端に硬直する体。 ある夏の日に、幽霊……いや、あれは神様か。どっちでも良いが、そういう類の現象に遭遇してしまってから、どうもそういう系の話は信じてしまうようになった。 冷や汗がブワッと出る中、恐る恐る瞑ってしまった目を開くと…… そこには、誇らしげにベッドの端の方で逆立ちしてる最愛の馬鹿の姿があった。 意味が分からない。全く。 彼女の奇行は前々から目立つものだったが、今回のこれはその中でも群を抜いている。 とりあえず、幽霊じゃなくて安心した俺は、目の前の現実から逃げようと目線を逸らしたが、事態はそこで急変した。 馬鹿が体勢を崩しやがりました。
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