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サーッて降る雨。
たぶん今日はやみそうにない。
「百合~っ!傘いれてっ!」
ぱしゃぱしゃって後ろから
雨の中走ってるってわかる足音と
私をよぶ声。
彼が私の傘に入るまで待ってあげる。
「‥もー、何でいつも傘もってないの?
絶対家からでるときから
雨降ってたでしょ!」
「うーん、帰り傘忘れんのやだし、
それに百合が入れてくれると思って」
傘の中で濡れた髪や制服に
ついた雫を落として彼は笑う。
「‥はいはい。」
「ふふっ、俺が持つよ。」
ひょいと彼が傘をもつ。
少し高めになった傘、
1人ではちょっと大きい傘。
私の傘にはいつも彼が入る。
だから、少し大きめの傘を
いつも持ってる。
誰にも内緒だけど。
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