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「あんたも物好きだね♪ははっ、よりにもよってあたしみたいなどぶネズミ拾うとは」
なかなかやるねぇと言い、彼女は腕を組む。
「親切にするのはいいけど、ケースバイケースだよ。あの辺りをうろついている奴にろくなのはいないよ」
「総一郎様がせっかく気を使われたというのに……」
虎次が彼女の語りにあきれて口を挟もうとしたが、その必要はなかった。
僕はもう片方の手で彼女のせわしなく動く口を塞ぎ、睨み付けた。
彼女は大きな目を見開き、生唾をごくりと飲む。
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