5# 絶叫せしはフランス人形

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「……やっと起きたか。シキ」 「え?兄さま?」  僕……  「着いて早々喚き散らしたと思ったら、卒倒なんて…。お前はどこまで騒々しいの」 「ぁ!ごめんなさっ…」 ほんと僕何やって……  「大体、初対面の人に失礼と……」 「まぁ、まぁ、止そうよ。総一郎」  「?」 「いや、なんつーかさ、あたしも偉そうなこと言えないけど。卒倒するくらいだし、この子にとってはよっぽどのことがあるんだろ?誰でもさ、心に触られたくない痛いもんの一つや二つあるだろうし、そう煩く言ってやるな」 「……」 「……美影に言われなくてもわかってる」 兄さまも僕も、その場にいた虎次も、なんとなく黙って彼女を見つめてて、  兄さまが声を発するまで、少し時間がかかった。 .
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